シリーズD初回クローズで364億円を調達:MujinOSが拓く「フィジカルAI」と産業自動化の未来
MujinはNTTグループ、カタール投資庁等を引受先とし、シリーズD初回クローズで2025年国内最大となる総額364億円の大型資金調達を実施。累計調達額は596億円に達しました。統合型オートメーションプラットフォーム「MujinOS」の進化と、フィジカルAIによる工場・倉庫全体のデジタルツイン自動化への挑戦を詳しく解説します。
総合オートメーションテクノロジー企業の株式会社Mujinは、シリーズDラウンドのファーストクローズにおいて、第三者割当増資(エクイティ)による総額209億円、および複数の金融機関からのデットファイナンスによる総額155億円、合計364億円の大型資金調達を実施しました。
本調達は、スタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL」をはじめとする各種調査において、2025年における国内スタートアップの年間資金調達額ランキングで第1位(国内最大規模)を記録しました。また、今回の調達に伴いMujinの企業価値評価額は1,500億円を突破し、累計資金調達額は596億円に到達しています。

シリーズDラウンド初回クローズ:2025年国内最大規模となる総額364億円を調達
本ラウンドでは、NTTグループ様およびカタール投資庁様(Qatar Investment Authority: QIA)を共同リード投資家として迎え、三菱HCキャピタルリアルティ株式会社様、Salesforce Ventures様が新規参画。さらに、既存投資家であるPegasus Tech Ventures様やアクセンチュア様等からも追加出資の意向を得ており、来年予定しているセカンドクローズに向けて継続的な資金調達活動を進めています。
2025年 国内最大調達
年間ランキング第1位(364億円)
エクイティ209億円 + デット155億円。企業価値1,500億円突破。
累計資金調達総額
596億円($400M+)
世界市場でのプラットフォーム標準化を加速する強固な財務基盤。
共同リード投資家
NTT & QIA(カタール投資庁)
国内外トップの通信インフラ・政府系ソブリンファンドが参画。
🧭 なぜ今、364億円の大型調達なのか?
2025年の国内スタートアップ最大調達額を記録した本ラウンドは、単なる一企業の資本増強にとどまらず、日本のディープテックおよび産業用フィジカルAIが世界市場で主導権を握るための象徴的なマイルストーンとして各界から大きな注目を集めています。
世界の製造・物流現場は今、歴史的な人手不足とサプライチェーンの寸断リスクという未曾有の課題に直面しています。
従来のロボット自動化は、現場ごとに特注で設計・開発する「個別システムインテグレーション(SI)」に依存しており、導入期間の長期化、莫大なコスト、そして複数ベンダー間の連携不足が大きなボトルネックとなっていました。
Mujinはこの構造的課題を打破するため、「製品主導型(Product-Led)の自動化プラットフォームビジネス」への大転換を推進しています。本調達は、その中核基盤となる「MujinOS」を産業オートメーションのグローバルスタンダード(世界標準)として確立するための戦略的投資です。
⚡ 統合型オートメーションプラットフォーム「MujinOS」とは
MujinOSは、独自のフィジカルAI技術、高速動的動作計画(リアルタイムモーションプランニング)、そしてデジタルツインを融合させた統合型産業オートメーションプラットフォームです。

MujinOSのアーキテクチャ:アームロボット、AGV、自動倉庫、3Dビジョン、上位WESを単一プラットフォームで統合制御
1. マルチベンダー・異種機器の統合オーケストレーション
ファナック、安川電機、三菱電機、川崎重工、KUKA、ABBなどの主要アームロボットメーカー各社をはじめ、無人搬送車(AGV/AMR)、パレットシャトル、自動倉庫(AS/RS)、各種ビジョンセンサーを単一のアーキテクチャで統合制御します。
2. 事前ティーチング不要の自律知能(フィジカルAI)
ロボットにあらかじめ決められた軌道を教え込む必要はありません。多数のセンサーから得られる点群データをリアルタイムに解釈し、荷物の形状変化や位置ズレ、障害物をミリ秒単位で回避しながら最短軌道を自己生成します。
3. お客様・パートナー自身によるアプリ開発と迅速な水平展開
デパレタイズ、パレタイズ、ピースピッキング、トラック荷降ろし(TruckBot)、フリートマネジメント、倉庫実行システム(WES)などの高付加価値アプリケーションを標準搭載。導入企業や認定SIer自身が容易にカスタマイズ・複製(水平展開)できる環境を提供します。

トラック荷降ろしからデパレタイズ、AGV搬送、パレタイズまで一気通貫で自動化
🌐 工場・倉庫全体のデジタルツイン化
MujinOSがもたらす最大のブレイクスルーの一つが、「リアルタイム・デジタルツイン」による現場とデジタルの完全同期です。

物理世界のあらゆるロボット・AGV・荷物の動きを仮想空間上にミリ秒単位で完全再現
単なる画面上の「3Dグラフィック可視化」にとどまらず、MujinOSのデジタルツインは現場の物理世界を動かすリアルタイム運用エンジンとして機能します。
- 完全なトレーサビリティ: 倉庫・工場内の全パレット、オリコン、ピース単位の在庫ロケーションと移動履歴を秒単位で追跡。
- ボトルの早期検知・動的最適化: コンベヤの渋滞やロボットの荷待ちを先回りして予測し、AGVの走行ルートやパレタイズ順序を動的に再計算。
- 運用リスク低減とデータドリブン経営: 過去データに基づく精緻なパフォーマンス予測とシミュレーションにより、設備投資とシフト管理を最適化。
🎯 資金調達の4大重点使途
今回調達した364億円の資本は、以下の4つの柱に集中的に投資されます。
1. MujinOSプロダクトのラインアップ拡充
個別SI中心の受託型ビジネスから、ソフトウェア・ハードウェア統合プロダクト主導型モデルへのシフトを加速。世界中の現場で誰でも容易に導入・複製可能なパッケージを拡充します。
2. 工場・倉庫全体のデジタルツイン化
リアルタイム運用エンジンとしてのデジタルツイン機能をさらに強化。現場の全プロセスを可視化・最適化し、企業のデータドリブンな意思決定を支援します。
3. 欧米を中心としたグローバル展開の加速
人件費高騰と深刻な労働力不足に直面する北米・欧州市場において、現地サポート・エンジニアリング拠点を大幅拡張。認定システムインテグレーター(SIer)ネットワークを構築します。
4. 世界最高峰のフィジカルAIチーム拡大
自律知能ロボティクスを極めるため、世界トップクラスのエンジニア採用を一層強化。次世代MujinOSの研究開発を推進します。
💬 創業者・主要パートナーからのコメント

滝野 一征
株式会社Mujin CEO 兼 共同創業者
「今回の大規模資金調達を強力にご支援くださいました事業会社と金融機関の皆様に深く御礼申し上げます。この調達資本をもとに14年培ってきた世界最高峰の産業オートメーション技術をプロダクト化し、パートナー戦略も併せて加速度的に世界展開する事により世界中の労働力不足に起因する社会問題を解決してまいります。MujinOSをグローバルスタンダードに育てあげ、Mujinを『世界で戦い、世界で勝てる企業』に成長させていきます。」

Dr. Rosen Diankov
株式会社Mujin CTO 兼 共同創業者
「シリーズDラウンドで示していただいた力強いご支援は、MujinOSが産業オートメーションの次世代を支えるアーキテクチャとして投資家の皆様から信頼をいただいている証です。今回の資金調達により、スケーラブルで製品主導型のビジネスへの移行が加速し、クラウドサービス、リアルタイムデジタルツイン技術、そしてエンタープライズグレードのオートメーションをあらゆる主要市場のお客様にご提供できる能力が拡大します。私たちは、MujinOSをインテリジェントロボティクスのグローバルスタンダードとして確立することに、これからも尽力してまいります。」

島田 明 様
NTT株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 CEO
「これまでNTTグループは、通信インフラをはじめとする多様な技術とサービスを通じて、社会の発展と人々の暮らしを支える役割を担ってきました。今後、高度なロボット知能化技術で製造・物流業界の革新を牽引するMujinとともに、当社のIOWNや計算基盤などのアセットと連携したAI・ロボットの高度化を進め、人手不足の解消や生産性向上といった社会全体の課題解決に資する新たな価値創出に取り組んでまいります。」
📊 シリーズD 資金調達の概要
第三者割当増資(エクイティ:209億円)
- NTT株式会社 様(共同リード投資家)
- NTTドコモビジネス株式会社 様
- カタール投資庁 様(Qatar Investment Authority)(共同リード投資家)
- 三菱HCキャピタルリアルティ株式会社 様
- Salesforce Ventures 様
※イントロデューシング・エージェント:みずほ証券株式会社 様、UBS AG シンガポール支店 様
融資・シンジケートローン(デット:155億円)
- アレンジャー:みずほ銀行、三井住友信託銀行、横浜銀行
- 参加金融機関:紀陽銀行、あおぞら銀行、名古屋銀行、池田泉州銀行、常陽銀行、福岡銀行、京都銀行、七十七銀行、西日本シティ銀行、八十二銀行、商工組合中央金庫、UPSIDER Capital
※中小企業基盤整備機構「革新的技術研究成果活用事業円滑化債務保証制度」を活用

シリーズDラウンドに参画いただいた主要投資家および金融機関各社
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